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【みんな生きている】松本京子さん

35年前に北朝鮮に拉致された松本京子さんとの再会を果たせないまま、89歳で亡くなった母親の三江さんの葬儀が鳥取県境港市で営まれ、参列者からは被害者の家族が高齢化するなか、一刻も早い救出を望む声が聞かれました。
松本三江さんは昭和52年、鳥取県米子市で「近所の編み物教室に行く」と言って自宅を出たあと北朝鮮に拉致された松本京子さんの母親で、11月27日、老衰のため89歳で亡くなりました。
境港市で営まれた葬儀には、拉致被害者・増元るみ子さんの弟の照明さんや政府関係者、それに地元で親交があった人たち、およそ80人が参列しました。
出棺の際には、長男の孟さんが集まった人たちにお礼を述べ、三江さんの棺を乗せた車が式場を出ると、全員で手を合わせて見送りました。
葬儀のあと、10年前に父親を亡くした増元照明さんは
「年老いた被害者の親が次々に倒れていくことは残念でなりません。時間がないということを政府は真剣に受け止めてほしい」
と話しました。
葬儀に参列した政府・拉致問題対策本部の三谷秀史事務局長代理は
「三江さんが元気なうちに京子さんを取り戻したいと取り組んできたが、残念でならない。政府一体となって、解決に向け一歩でも二歩でも前進させたい」
と述べました。

◆昭和52(1977)年10月21日
女性拉致容疑事案
被害者:松本京子さん(拉致被害時29歳)
自宅近くの編み物教室に向かったまま失踪。
平成14年10月にクアラルンプールで行われた日朝国交正常化交渉第12回本会談及び平成16年に計3回行われた日朝実務者協議において、我が方から北朝鮮側に情報提供を求めたが、第3回協議において、北朝鮮側より、北朝鮮に入境したことは確認できなかった旨回答があった。
平成18年11月に松本京子さんが拉致認定されて以降政府は北朝鮮側に対し即時帰国及び事案に関する真相究明を求めてきているが、これまでに回答はない。



拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。